海外指導で気がつくのがIE部門が必ず会社にはあります。日本の会社、工場では聞いたこともみたことも ありません。IEエンジニアの仕事は何ですか?と尋ねると「突然Osha(日本の労働基準監督署のよう なもの)が工場監査に来たときとか従業員の労働環境を安全に(IEツールを使って設計された作業動作) 確保するために必要です。法律で決まっています。では、日本では何故必要ないんでしょうか?「日本の工場 にはIE部門はありませんよ」というとびっくりされます。彼等の仕事は動作分析が主体で幅、深さ、高さが 基準に合っているか測定値をパソコンデータと比較するだけです。でも、彼等を見ているとストップウォッチ を携帯しています。おまけにユニオンが承認した人だけが作業分析ができます。測定したデータを見てここが ムダだからこう減らしてサイクルタイムを短くしようという発想には至りません。むだ?ムダなんて見えない から測定できるはずないだろ!と言われました。写真の本は新郷重夫氏の書いた興味深い本です。 彼はIEが専門ですがIEの知識で現場をよく観察して本当の仕事とはなんだろうか省けるものはないか。 IEエンジニアの目を通して測定した時間データから如何すれば儲けることができるか?と常に経営という視点 で捉えています。是非この本を読んでみてください。 また、大野耐一氏もIEエンジニアではダメ。MIEになりなさい。と言っています。YODAも彼の講演をきいた ことがあります。1970年代、新郷重夫はトヨタのプレス工場で6時間の段替え時間のシングル分10分以下に 挑戦していました。時々はお互いの進め方を覗き合っていたことでしょう。 長くなりましたが標準作業についてのテーマでした。 トヨタ発のツールですが時間、動作観測したデータを標準作業組合せ票に表現して見えない時間を可視化した ものは素晴らしいものです。このシートはリーダーが測定して作業者も含めてどこがムダでどうすれば安全に 少しでも多くのアウトプットを出せるかを検討して標準を作成するものです。「時は金なり」皆知っています。 時間は平等です。特別なエンジニアは必要ありませんね。 この素晴らしい標準作業については後日詳しくお知らせします。