トヨタ生産方式を学ぶ前に「新郷重夫語録」に触れるべし

YODAは金属学科の学位終了後小さな自動車部品製造販売会社び就職しました。工場の工程は高速横型プレス、切削、転造、熱処理、メッキというものです。当然YODAは熱処理部門に配属になりました。お客様はトヨタ以外の全自動車製造会社です。各お客様の要求数も3ヶ月分をロットサイズに見込み生産です。その結果プレス後、熱処理の前後は中間仕掛りの山が出来ていました。新製品は立ち上がる一方で現場はカオスでした。この会社の社長方針はユニークでトヨタの仕事はとってくるな!と営業マンに述べていました。当時トヨタとの商売は利益率が決められており吹っ掛けることが出来ないことを知っていました。トヨタには車で30分くらいのところでありながらよくぞこんな商売が出来たものです。在庫が良い悪いではなく自分達の周りを働きやすくしたいばっかりに動きはじめました。しかし、相談する相手がありません。他の工場がどのような生産管理をやっているか解らないので、出入り業者を通じてトヨタ系の方に工場診断をお願いしました。その方がやって来ました。来るなり、「工場に入る前に出荷場を見せて欲しい」と言われて案内しました。その方曰く、「今日は何も言いたくありません、この工場は25年前の韓国の工場よりもひどい」といわれました。ショックを超えていました。どうすればいいか? ある日、本屋に立ち寄りました。工場改善で目にとまったのが新郷重夫氏の本でした。

中でも、経済ロット論を否定して段取り時間の短縮で在庫が減らせるシングル段取り論には衝撃を受け、彼の本を読みあさりました。結果的にこれが後々、トヨタ生産方式を理解する早道担ったと思います。

写真の本はネットでしか手に入れることは難しいですが3万円を超える値の付いているものもあります。