トヨタでもそうでした。
TPSを導入する前に、2S「整理・整頓」5S「整理・整頓・清掃・清潔・躾」をまずトライするべきです。私は2Sを徹底すれば後の3Sは自動的に進んでいくものと実践で学びました。
2S活動でも何故整理、整頓が必要か?その目的は何か?TPSでいう「7つの無駄」以外の無駄もあること、特にこの活動の中では時間の無駄、節約に徹底的にこだわった活動をすすめることです。5S活動を進めると様々なルールを必要とします、皆がそれに従うことになります。リーダーが職場のルールを決める、メンバーがそれに従う、従えないところはルールを変える。これは「改善」心を良く変えること、善は善男善女の善です。これが正に改善の始まりだと思います。皆が会社のルールを守れないとTPSは決して成功しませんし品質の良いモノは作ることができません。。
5S、改善活動は余分な仕事が増えるのではなく、日常業務として継続改善が定着するようにトップが姿勢を示して全員に定着させること、これが躾に繋がります。
TPSを学ぶ前に。
会社経営、運営は、その会社のビジョン、ミッション、バリューに沿って仕事をすることで一人一人が育ち、会社が継続的に繁栄していき、社会に貢献する「三方よし」の精神で生き甲斐、働き甲斐、を通して自己実現をしていくことだと思います。このことを組織を通して常にOJTで従業員をトレーニングできる会社づくりが大事だと思います。トヨタではTPSが始まる前は歴代の社長、役員が豊田佐吉、豊田利三郎、豊田喜一郎の没後、彼の精神を纏めた「豊田綱領」なる物を会社の指針として全員が仕事を進めて来たといいます。その後、三代目の社長石田退三が豊田自動車倒産の危機の時代に投入されて危機を脱するなかで語られた言葉が大野耐一がTPSを導入時に語ったとされるようなことがTPSを理解する上でごちゃごちゃになっている感があります。この時期は近江商人の商い語録、三方よしの精神がTPSを学ぶ上で知っておく必要があると思います。
会社はお客様に対してQ,C,Dを保証しなくてはなりません。皆さんはどのようにして毎日保証していますか? TPSはジャストインタイムと自働化の二本柱であると表現されます。
もしあなたの会社がC,Dで問題を抱えているならば、ジャストインタイムの考え方のなかにヒント満載です。また、Qで問題を抱えているのならば自働化の考え方のなかにヒントが必ずあります。ですから会社の全管理部門長が勉強する必要があるのです。TPSは特殊な日本語語彙が盛りだくさんです。日本人でも解りにくい表現があります。一語、一語の漢字の持つ意味を理解することもTPSを早く理解することに繋がります。ここが理解されていないと海外でTPS用語を質問されてもうまく説明できなければTPSそのものが疑われます。海外での指導も無理でしょう。
例えば、「整理」「整頓」をどのように教えますか?
一般的には整理は必要なものと必要でないものを分ける。整頓とは欲しいものがすぐに取れる、すぐに元に戻せる。これは共に探す時間の無駄を減らし、無くすものです。では整理とは何故この漢字を使うのでしょうか? 漢字を良く見ると、束ねる、攻める、正しいに分かれている。
束ねることを徹底して攻めること。必要な物と必要でないものを束ねた後も正しい物のグループをもっと正しく束ねていく、例えば今日使う物、一週間に1回使う物、一ヶ月に1回つかうものは一緒に束ねない。とか、皆さんで議論して下さい。これが正しい方法です。
理は王と里の合体です。これは王様の住む里の意味です。王様が決めた里なので誰も手が出せない場所です。王様が決めたルールを意味して皆が従わなくてはならないルール、規則なのです。整理に関しては職場長のリーダーシップが必要だという意味を含んでいます。
整頓は欲しいものがすぐに取れる、使った物を正しい場所にすぐ戻すことです。
整は徹底して行うことが正しいことです。頓の漢字は頓服薬に使われるように服用すればすぐに効く薬のことです。屯は詰め所とかcampの意味です。頁の字が大事です。本にはページ番号がついています。目次で知りたいことは何ページをみれば良いかが解る番号表示があります。
この番号のおかげで欲しところがすぐにさがせます。これが整頓なのです。
如何ですか? これが漢字の凄さ、トレーナーの善し悪しを決めるものです。