TPSを学ぶワクワク感をどう伝えるか

TPSの導入、実施に関してこのワクワク感をどのように持続するかは大変重要だと感じており私の指導手法にも重点を置いている観点です。勿論、導入初心者が始めからワクワク感を具現化してみんなと共有することは無理であろう。

海外での導入事例に遭遇する度に感じることは、

  • Lean Manufacturingに関する書物が氾濫している。
  • 専任導入チームの仕事になっており改善の方向性を示せない。
  • 既存の生産システムと新手法の違いをうまく説明できなくて押し付けている。
  • カンバン、アンドンなど十分な理解のないまま使っており混乱をまねき、結果的にTPSは使えない、日本人にしかできない風潮が蔓延している。

 

ではどうやってワクワク感を伝えるか?

  • 現場を経営トップと一緒に歩いて写真を撮り、その場で誤解を解く(5S, アンドンなど)。
  • 改善の一歩は作業者の提案を基に困難作業を取り除いて会話の糸口を作り、作業者の笑顔を取り戻す。
  • 「流れ」の重要性を現場で実感させる。
  • 将来の工場の姿を描いてもらう。
  • 最後に超優良企業のトヨタ式の本質的な考え方を自工場で実践できるという感動を、実体験を通して持ち続けられるような自工場に合った仕組み作りを支援する。

これは私の指導の流儀として紹介させていただきます。以下1から5をもう少し補足させていただきます。

  • 現場を経営トップと一緒に歩いて写真を撮り誤解を解く(5S, アンドンなど)。

経営トップチームと一緒に現場を歩きながら、説明を受けうまく行っていない状況を理解して、5S、アンドンの目的となぜ、それを使うのかを説明しながら誤解を正していく、その時に写真、ビデオをとって後でみんなで検証する。特に5Sでの不理解は大きく整理、整頓に徹して進めて欲しいというと、躾が出来ていないと5Sは出来ないと思うけど、なぜ5Sでは躾が最後なのか?なぜ床をお金を掛けてエポキシ塗装をしてピカピカにしてスタートするのか?ばかげている質問と思われるでしょうが、これが現実です。

  • 改善の一歩は作業者の提案を基に困難作業を取り除いて会話の糸口を作り、作業者の笑顔を取り戻す

工場視察中に作業困難箇所を見つけ、経営トップに作業者に尋ねさせる、テーブル

は低くないか? 高さはどれくらいが良いか? 作業者の提案を直ぐに実施させる。このような会話を継続させる。ある会社の工場長は現場を歩くと皆が睨むので怖くて歩けないというのでこのような手段で作業者と会話させたらいいアイデアが一杯出てきた。作業者は管理者との会話を待っていることを体験させる。

3.「流れ」の重要性を現場で実感させる。

「流れ化」の重要性、利点はさまざまな書物、ガイドブックなどで語られているが、それを自分の現場で実感してもらえることが重要でしょう。モノの流れ、機械の流れ、人の流れ、情報の流れを確認してもらう。ロット流しは全ての悪さを隠してしまうことを話した後その場で流れ化の利点を体感してもらうのには一個流しにトライをしてもらう。そうすることにより問題点がはっきりとみんなの目で確認してもらえることです。

良い映像がありますので、後日お見せします。作業者、管理者が同じ場所で問題を共有することは将来の方向性、ビジョンを策定するときに大変役に立ちます。

リードタイム短縮を説くよりも仕掛、原材料の在庫を減らすとキャッシュフローがどうなるかをCFOにも体験してもらうことが早道です。

4.将来の工場の姿を描いてもらう

モノと情報の流れ図を書きながら自ら将来像を固めていくように指導する。

 

  • 最後に超優良企業のトヨタ式の本質的な考え方を自工場で実践できるという感動を、実体験を通して持ち続けられるような自工場に合った仕組み作りを支援する。

クラスルームでのトレーニングだけではなく、自工場に合ったシミュレーションゲーム(紙飛行機ゲームなど)で「気づき」を与えるようなものを機会をとらえて味あわせるようなサポートが必要でしょう。

私の経験では現場の問題解決を作業者と一緒に解決する機会を何度も繰り返すことがワクワク感を維持する良い方法だったと思います。

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