海外で指導をしていると必ずと言って良いほど5Sに関して同じ質問がきます。「5Sは日本人しか出来ないでしょう」「なんで躾が5番目なんですか? 躾が先でしょう」「5Sをやって会社が儲かるんですか?」5S活動の本質を理解していないコンサルタントに学んだか、変な本をよんだのでしょう。5Sは管理の道具です。管理の道具であるからには儲けることができなくてはなりません。経営者、管理者はそこに注目するべきです。5S活動で何が儲かるのか? 如何すれば儲かるのか?これがキーになります。
トヨタは今でも工場内のポスターは2S 整理、整頓です。TPSを導入する前に、2S「整理・整頓」5S「整理・整頓・清掃・清潔・躾」をまずトライするべきです。私は2Sを徹底すれば後の3Sは自動的に進んでいくものと実践で学びました。
2S活動でも何故整理、整頓が必要か?その目的は何か?TPSでいう「7つの無駄」以外の無駄もあること、特にこの活動の中では時間の無駄、節約に徹底的にこだわった活動をすすめることです。5S活動を進めると様々なルールを必要とします、皆がそれに従うことになります。リーダーが職場のルールを決める、メンバーがそれに従う、従えないところはルールを変える。これは「改善」心を良く変えること、善は善男善女の善です。これが正に改善の始まりだと思います。皆が会社のルールを守れないとTPSは決して成功しませんし品質の良いモノは作ることができません。。
5S、改善活動は余分な仕事が増えるのではなく、日常業務として継続改善が定着するようにトップが姿勢を示して全員に定着させること、これが躾に繋がります。
例えば、「整理」「整頓」をどのように教えますか?
一般的には整理は必要なものと必要でないものを分ける。整頓とは欲しいものがすぐに取れる。これは共に探す時間の無駄を減らし、無くすものです。では整理とは何故この漢字を使うのでしょうか? 漢字を良く見ると、束ねる、攻める、正しいに分かれている。
束ねることを徹底して攻めること。必要な物と必要でないものを束ねた後も正しい物のグループをもっと正しく束ねていく、例えば今日使う物、一週間に1回使う物、一ヶ月に1回つかうものは一緒に束ねない。とか、皆さんで議論して下さい。これが正しい方法です。
理は王と里の合体です。これは王様の住む里の意味です。王様が決めた里なので誰も手が出せない場所です。王様が決めたルールを意味して皆が従わなくてはならないルール、規則なのです。整理に関しては職場長のリーダーシップが必要だという意味を含んでいます。
整頓は欲しいものがすぐに取れる、使った物を正しい場所にすぐ戻すことです。
整は徹底して行うことです。頓の漢字は頓服薬に使われるように服用すればすぐに効く薬のことです。屯は詰め所とかcampの意味です。頁の字が大事です。本にはページ番号がついています。目次で知りたいことは何ページをみれば良いかが解る番号表示があります。
この番号のおかげで欲しところがすぐにさがせます。これが整頓なのです。
如何ですか? これが漢字の凄さ、トレーナーの善し悪しを決めるものです。