バブルがはじけて以来、失われた30年とかCDPが低調、横ばい、中国や韓国に抜かれた、給料は下がる一方で日本社会、日本人自身が自虐試行で暗い毎日のようですが、その一番の原因ではないかと思うことがある。90年以降、日本人までもルックイーストでマレーシアが学んだように、東を向き、米国式に舵を切りすぎたこと、経営者と従業員がIEを学ばなくなったことが大きな要因ではないか。高度成長期、日本人はがむしゃらに働きながらも会社も社内教育をを忘れなかった。経営者も良く勉強をしていたと思う。何を勉強していたかというとIE(Industrial Engineering)である。全員ががむしゃらに働きながらも能率、効率、生産性を常に頭に置きながら働いたものである。戦後、デミング、ヂュラン等による統計的品質管理手法はあまりにも有名ではあるが、古典的IE, TWIの教えからも改善に関して多くのことを学んだ。ムリ、ムダ、ムラとは何か? 能率、生産性とがなにか? 工程改善、工場改善でも運搬、検査、停滞はムダで加工のみが正味価値のあること、「時間は動作の影」を唱えながら新郷重夫氏がトヨタのエンジニア、管理職にIEの基礎を30回、延べ3000人にP研修(Production Engineering)と名を変えてIEの基礎を徹底的に研修を行っており、大野耐一氏もMIE「儲けるIE」を学ぶことが大事でその考え方がトヨタ生産方式の確立の根幹をなしていることは私も直接聞いたことがあります。中部IE協会の会長を20年も務め、その後、トヨタの役員が会長を務めたことでも、如何にIEが大事な学問か解る気がします。
中でも、改善、QCサークルは会社発展、技術、新製品開発の底力として、半ば必須科目、一般教養として皆学んできたものです。改善とかQCサークルは何で必要か?誰のためのものか?労働強化、会社の利益確保、人員整理の道具の様に言われたときもありました。改善の定義は様々ありますが、私は、これは自分のために行うこと、自分の仕事がもっと楽にならないか?自分の仕事の中にムリ、ムダ、ムラは無いかを常に考えながらチームの中、社内に3ムは無いかを見つける様になる目を持つことが自分が成長することだということを従業員に言ってきました。5Sの中に躾の項がありますが、私は躾とはムダを発見して解決する。問題を見つけて、問題解決を出来るとだと言ってきました。このような自己形成に向けて自分の全力を会社、技術発展に努めることが全員に知らず知らずのうちに形成されていたときが高度成長期の神髄では無かったかと思う今日この頃です。強い日本を取り戻すにはIE教育、社内教育、経営者教育にIE教育を導入し、皆さん、今でも社内研修、管理者教育に時間と情熱を割いていますか? これにもっとお金と時間を費やしましょう。今からでも遅くは無いと思います。次回は三ムと能率の原点を振り返ってみます。